水平線

研究と批評.

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『空に住む』(青山真治)

青山真治の作品は、『Helpless』・『EUREKA ユリイカ』・『サッド ヴァケイション』の”北九州三部作”や『共喰い』、あるいは『チンピラ』や『WiLd LIFe』におけるヤクザとの闘争に巻き込まれることに象徴的なように「土着性」、「血縁」がどこまでも回帰する…

『スパイの妻』(黒沢清)

黒沢清の映画では、たびたび内面の「空白性」が描かれている。福原優作(高橋一生)と聡子(蒼井優)の関係性においてもその萌芽は見て取れる。だが、この「空白性」から生じる「言語化不可能」、「理解不能」という解釈こそ黒沢映画の特徴でもあるだろう。…