水平線

研究と批評.

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『PLAN75』(早川千絵)

崩壊の過程としての生を肯定すること、それは何よりも「老いてあること」或いは「老いつつあること」を肯定するに他ならない。言うまでもなく、「老い」とは可視的な、そして内在的な経験としてある不可避な崩壊の過程そのものだからである。「老い」は死へ…

『すずめの戸締まり』(新海誠)

国民が家父長的部族として表象されるのでもなく、また民主制とか貴族制とかいった形式が可能であるような未発達の状態にあるものとして表象されるのでもなく、そうかといってまた、有機的組織を欠いたでたらめの状態にあるものとして表象されるものでもなく…