水平線

研究と批評.

微光

6一2の証明が4であることよりも 僕にはそれがネギを切り刻み続けるような 言葉の物質性が憂懼だった もしも世界が嘘だけで飾り付けられているなら 祈りは対等になる 夢が嘘に遭逢することがあれば 嘘は祈りとなるだろう 風葬されそうな言葉を肺の水底に着飾…

驟雨

溜め息色した通学路 悲哀を優しさに変えたつもりでね 消えていった夢を不意に数えながら 僕は、残された夢の整理をしていた 駅の地下通路からは浮浪者の眼差し 瞬間ごとの永遠の闘争からも逃走してしまうのか 白痴ーー、眩暈ーー。 幾人もの幽霊たちが無数の…

裂傷

スーパーに並んだ無数の自転車も僕のだけはなんだか一人ぼっちだ。交感もしない無機質な〈もの〉に生成できるならどれだけ幸福なのだろう。美しくも陰鬱な言葉を覚えてしまったから、僕は、あなたを傷つけてしまう。 群青に浮かぶ真っ白な雲が僕を洗い流しそ…